福岡県大刀洗町
＊参考資料 『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会） 『福岡県の城郭』（福岡県の城郭刊行会） 『日本城郭大系』
＊参考サイト 城郭放浪記
下高橋城（大刀洗町下高橋）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
竈門神社の場所。
下高橋にある竈門神社が下高橋城の跡である。「木戸」「溝口」「屋敷」といった地名が残っているという。
近くまで行ってみると神社の北側がやや高く土手状になっているのが分かる。これがかつての城塁の名残なのであろうか。
神社まで車で進入することができた。車は境内に停められる。
境内を歩いていると、城址碑と案内板とが設置されており、しっかり城址として認識されていることが理解できた。
ただ、遺構はよく分からない。案内板によると、かつては堀が残されていたとのことであるが、現在では、すべて埋められてしまっているようだ。あちこちに残る水路がその名残かと思われる程度である。
航空写真を見てみると、東側の川から南北100ｍほどの細長い区画が東西に延びている様子が分かるのだが、これがおおよその城域だったかと思われる。
神社の東側を通っている道路は城域を東西に分割してしまっているように見える。
かつて高橋氏の居城だったということで、複郭構造の、ある程度の規模を有した城館だったのではないかと想像する。
下高橋城は、高橋氏代々の居城であった。
高橋氏は大蔵氏の一族で、平安時代の藤原純友の乱での功績により当地域を賜り、土着して高橋氏を名乗るようになった。
かつて居城は上高橋にあったが、その後、下高橋に居城を移転したものだという。
戦国時代、高橋長種には後継ぎがなく、大友宗麟の肝入りで大友一族の一万田右馬介を高橋氏の養子に入れた。これが高橋鑑種である。
高橋鑑種は、後に大友宗麟から岩屋城を拝領して、そちらに移り住んで行った。
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| 北側の土手 |
北側の土手 |
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| 竈門神社 |
城址碑 |
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| 案内板 |
神社境内 |
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三原城(大刀洗町本郷）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
三原城の葉所。 城址碑と案内板の場所。
三原城は西光寺の西側一帯にあった。
北側の道路沿いに城址碑と案内板とが建てられている。
案内板によると、城址はここから南100ｍほどの所にあるという。しかしここから城内に入ることはできない。
城の西方を除く三方向には民家が建て込んでおり、アクセスするのはほぼ不可能なのである。
西方だけは水田となっているので、その脇を通って堀のある所まで到達することができる。
西方の住宅地の中に空き地があったので、そこに車を停めさせていただいたのだが、勝手に停めてよい場所だったのかどうかは分からない。
西側の水田地帯の脇を通って城内まで近づいてみる。
西側は堀は二重になっている。西方からアクセスすると、この二重の堀は簡単に見ることができるのであるが、内部はヤブがひどく、探索するのも容易ではない。
南北に長い長方形の城館だったように思われるが、古図では2郭構造に描かれているようであり、現状見られる堀は後世の改変を受けている可能性もある。
『筑後将士軍談』では三原種朝の居館だったとする。三原氏は「三万の領主と云い伝ふ」とあるそうだが、3万石ほどの所領があったということなのだろうか。
三原氏は、南北朝時代には護良親王の命を受けて九州探題を攻めたり、足利尊氏の軍勢と戦ったりしていたが、後に武家方に鞍替えして、大原合戦の際は少弐方の武将として活躍している。
天正4年（1576）、三原紹心は、四王子岩屋城で討ち死にしてしまい、三原氏は衰退していった。
秋月氏の持ち城の一覧を記した『天正十五年生駒雅楽頭宛城数覚書』には「三原 板浪左京」とあり、天正15年段階では、秋月氏家臣の板浪左京が城主だったと考えられる。
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| 城址碑と案内板 |
案内板 |
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| 堀 |
堀 |
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| 堀から見る城塁 |
堀 |
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| 堀 |
郭内部 |
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| 堀 |
堀 |
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| 堀 |
堀 |
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| 堀 |
堀 |
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| 堀 |
道路沿いの案内板と城址碑 |
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鳥飼城(大刀洗町三川）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
城址碑の場所。
鳥飼城は三川480番地辺りにあった。筑後川の北側の縁近い場所である。
そこまでいくと道路脇に城址碑が建てられているのが目に入ってくるのだが、遺構は消滅してしまったようである。
『筑後将士軍談』によると「東西二十四間、南北三十間」ほどの規模だったという。
おおよそ60ｍ×50ｍほどの、ほぼ方形の郭だったということになる。
城址碑があるところを南端とすれは、その北側に60ｍ四方ほどの区画をなんとなく看取できる。
周囲には幅６ｍほどの堀が巡らされていたという。
これが鳥飼城だったのではないかと考えられる。
、鳥飼城は、南北朝時代に新田義信によって築かれたと伝えられている。
