福岡県大川市
＊参考資料 『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会） 『福岡県の城郭』（福岡県の城郭刊行会） 『日本城郭大系』
＊参考サイト 城郭放浪記
酒見城（大川市酒見字上城内、下城内）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
酒見城の案内板の場所
酒見納骨堂とその南側の一体が酒見城の跡である。ということで酒見納骨堂を目指していく。
納骨堂の入口は北側にあり、そこから車を乗り入れていったのだが、これが非常に狭い道であった。
軽自動車でも側面をこすってしまいそうな狭隘路であり、普通車で乗り入れるのはまず無理である。
それでも納骨堂のところまでたどり着けたら駐車するスペースはあるのだが、ここまで車で到達するのはかなりの困難事である。
しかし途中には車を停められそうな場所が全くない。アクセスには苦労する納骨堂である。
納骨堂の前に酒見城の案内板が設置されていた。
その南側の看護学校との間の水路がかつての堀の跡である。
看護学校のある所が主郭だったと思われ、かつてはその周囲にも堀が巡らされていたようである。
『筑後将士軍談』では『陰徳太平記』から引用し、天正8年(1580）に竜造寺隆信が築かせ、鍋島信生に守らせたとする。
天正12年（1584）9月15日、戸次道雪・高橋紹運が酒見村や榎津の在家を焼き払った際には、竜造寺方の太田家豊が酒見城を守っていた。
天正15年（1587）、立花宗茂が柳川城に入城した際は、立花氏の老臣の由布美作が城番となって、肥前からの攻撃に備えていたという。
関ケ原合戦後の立花氏の改易によって酒見城は廃城となることが決まり、代わって入部してきた田中吉政家臣の分田甚左衛門が奉行となって、取り壊しの作業を行った。
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| 酒見納骨堂。ここまで来られれば車は停められるのだが・・・。 |
案内板 |
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| 堀 |
堀 |
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| 堀 |
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榎津城（大川市榎津）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
榎津城案内板の場所
榎津にある城山公園が榎津城の跡なので、この公園を目指していけばよい。
北側から細い道を入っていくと、公園駐車場らしきものがあったので、ここに車を停めさせていただいた。
城山公園といっても、ただの平地の公園である。どこが山なのか全くわからない。
公園の端に榎津城の案内板が立てられている。
城山公園という名称なのに、城址らしさは全く感じられない普通の公園である。
関ヶ原合戦後に入部した田中吉政の柳川城の支城の１つであった。
「慶長七年台所入之掟」によると、田中氏の城として、柳川城、城島城、福島城、黒木城、赤司城、江浦城、榎津城が挙げられている。
後に長州藩の密偵が記した「筑後之国之城数之事」では榎津城、江浦城、松延城、久留米城、赤司城といった支城名が記録されている。
いずれにせよ、重要な支城の１つだったのであろう。
田中家の寄合組頭の榎津加賀右衛門が3260石で榎津城に入城していた。
津村城（大川市津字城跡）
＊鳥瞰図の作成に際しては『福岡県の中世城館跡』（福岡県教育委員会）の図を参考にした。
津村城案内板の場所
津の集落の中心部分一帯が津村城の跡である。
現在でも水路が二重に巡らされており、これがかつての城のラインを示しているだろうことは容易に理解できる。
中央を通っている道路の北側に城の案内板が設置されている。
そこに城内の案内図が掲載されており、城跡、二ノ丸と言った地名が現在でも残されていることが分かる。
それなりに城域も広く、しっかりとした堀を巡らせた平城だったようである。
『筑後将士軍談』によると、天正年間に藤原秀郷の子孫の津村大輔が城主だったという。津村氏の子孫は後に北大野島の庄屋になった。
天正2年（1574）、竜造寺氏の軍勢が当地に攻め寄せてきた。最初の標的となったのが津村城であった。
深堀大膳が率いる2千の軍勢の攻撃により津村城は落城、当時の城主の津村大助秀門は討ち死にした。
その後、田中吉政の時代には、榎津加賀右衛門が守備したともあるが、これは榎津城のことだと思われる。
